バプーオン寺院
バプーオン寺院はカンボジア・アンコール遺跡に位置する寺院で、アンコール・トム内、バイヨンの北西にあります。11世紀中頃に建立され、ウダヤーディティヤヴァルマン2世の国家寺院として、ヒンドゥー教のシヴァ神に捧げられました。三層構造の「寺院山」形式をとり、いわゆるバプーオン様式の典型例とされています。寺院は王宮の南囲壁に隣接し、基壇は東西約120メートル、南北約100メートルの規模を有し、塔を除いた高さは約34メートルに達します。塔があれば約50メートルの高さになります。13世紀後半、中国の元皇帝成宗の使節である周達觀は、1296年から1297年にかけてこの地を訪れた際に、その外観に強い感銘を受けたようで、「青銅の塔…基壇部には10以上の部屋があり、実に驚くべき壮観だ」と述べています。15世紀後半になると、バプーオンは仏教寺院へと改修されました。西側第2層には、高さ約9メートル、長さ約70メートルにおよぶ巨大な涅槃仏像が建立されました。 寺院は砂地に建てられ、その広大な敷地のため、歴史を通して不安定な状態が続いていました。仏像が増築された頃には、既に多くの部分が崩壊していたと考えられます。1889年、リュシアン・フ ルネローがペンと水彩で描いた、11世紀の寺院の姿を再現した作品でした。20世紀に入ると寺院の大部分は崩壊し、本格的な修復事業が開始されましたが、その過程は困難を極めました。1960年に始まった最初の修復は、クメール・ルージュ政権の成立によって中断され、石材の配置記録も失われました。1995年にはフランス主導の考古学チームによって再び修復が開始され、2005年時点でも作業は継続中であり、見学は制限されていました。2010年11月には部分的な公開が再開されましたが、中央構造部への立ち入りは引き続き制限されていました。そして2011年4月、51年におよぶ修復作業が完了しました。同年7月3日に行われた落成式では、カンボジア国王ノロドム・シハモニやフランス首相フランソワ・フィヨンらが修復された寺院を初めて視察しました。
アクティビティ
開館時間
7:30 AM — 5:30 PM
